電流で歯が再生する?最新の歯の再生医療と研究の現状を解説

「骨のように、歯も再生できたら…」そんな願いを持つ方は多いのではないでしょうか。
これまで“不可能”と考えられてきた歯の本格的な再生が、いよいよ現実になるかもしれないという研究結果が報告されています。

電流でエナメル質を再生させる最新研究

むし歯などでダメージを受けた歯に“直接電流をあてる”ことで、エナメル質から失われたミネラルを送り込み、歯の再生プロセスを後押しする――そんな夢のような方法が研究されています。

「そんな方法があるなら、もうむし歯を削らなくてよくなるの?」
そう思われるかもしれませんが、残念ながらまだ研究段階。実用化にはもう少し時間が必要です。

この技術を研究しているのは、イギリスの名門大学「キングス・カレッジ」の研究チーム。
見通しでは数年で臨床応用が可能とも言われていますが、確実な話ではなく、日本で受けられるようになるにはさらに時間がかかる見込みです。

人間にも“歯の再生遺伝子”がある?

初期むし歯は「再石灰化」で回復できる

ごく初期のむし歯であれば、ハイドロキシアパタイトなどを使って失われたミネラルを補い、エナメル質を再生(再石灰化)できます。
市販の歯みがき剤にもこの働きを利用したものがあります。

ただ、これは本当のむし歯になる一歩手前で食いとめるという予防の方法なので、目に見えたむし歯には効果がありません。ごく初期のむし歯を自覚するのは困難なので、日頃のお手入れと定期的な歯科医院でのチェックが大切です。

「ティースバンク」で自分の歯を保存する時代に

親知らずや矯正で抜いた健康な歯を将来の移植に備えて保存しておく“ティースバンク”という仕組みもあります。
歯そのものを再生するわけではありませんが、人工歯と違い、自分の歯を移植できる点で非常に有用な選択肢です。

抜いた歯を保存するのは、専門のティースバンクという機関です。ティース(teeth)は歯、バンク(bank)は銀行の意味なので、将来に備え歯を預かっておいてもらう感じになります。高価な人工歯の代わりに“自分の歯を資産として保管する”という考え方が広がりつつあります。

未来の歯科医療を楽しみにしつつ、今できるケアを大切に

電流による歯の再生や再生医療の発展は非常に魅力的ですが、実用化には慎重な研究が必要です。だからこそ、「いまある自分の歯を守ること」が最も大切です。

毎日のセルフケアはもちろん、早期発見・早期治療のためにも、定期的に歯科検診を受けましょう。

ナチュラルスマイルデンタルクリニックでは、むし歯・歯周病予防から再生医療を見据えた歯を守る治療まで、患者さまの将来を考えた診療を行っています。
「できるだけ削りたくない」「自分の歯を長く残したい」という方もお気軽にご相談ください。